宮薗 なつみ(みやぞの なつみ)/ miyazono spoon

自己紹介

赤ちゃんもおじいちゃん、おばあちゃんも。

みんなが使えるスプーンを。

”こんなスプーンがあったらいいな。”

をコンセプトに、

食べものやうつわに合わせたスプーンの制作をしています。

-- miyazano spoon の原点 --

19才の夏。

後継者がおらず、途絶えてしまう伝統工芸のドキュメンタリーをテレビで偶然みました。
浪人して進路を迷っていた時期。

「私にもできるなら弟子入りしたい。」
「終わってしまうなんてもったいない。」
「なんだか悔しい。」

と伝統工芸やものづくりに興味を持った瞬間でした。

大学落ちたら修行にでる!と両親を説得したものの…大学へ進学。
その後、木と漆に出会い、
自分で作ったものに囲まれて生活したい。
と、家具やうつわなど生活用品の制作を始めました。

作り方も分からないまま、彫刻のようひたすら木を彫って作った、初めてのスプーン。
このとき全部で4本作りました。
最後の1本は力尽きて彫りかけのまま…

大事にしたい軌跡です。

今では絶対こんな作り方はしません。
でも一生懸命だったことを鮮明に思い出させてくれます。

企業に就職し、退職後はアルバイトのかけもち…
木工から離れた時期もありましたが、
2011年、miyazono spoonを立ち上げ、木工を再開いたしました。


店主からのご紹介

 東京の京橋にかつてラボンヌ・ヌーベルというフレンチ・レストランがありました。今も付き合いのある人たちと私はそこで出会い、その後機会あるごとにその人たちと顔を合わせるようになる、ラボンヌはそんな店でした。

 2016年の年末、酔っ払って東京駅の新幹線最終を逃し、とりあえず歩いてラボンヌに向かったのですが(そんな時間にフレンチ・レストランに行ってどうする)、その時店にいたのが宮薗さんでした。素敵な笑顔が印象的な明るい女性でした。

 ラボンヌの店主佐々木さんとはあちこち一緒に出かけるのですが、2018年2月、神奈川の二宮にある宮薗さんの自宅兼工房にもラボンヌ繋がりの仲間たちとお邪魔しました。スプーン専門の宮薗さんの工房にはほとんど機械がなく、また、スプーンの削り方も独特で、その所作にすっかり見入ってしまいました。

 私が最初に購入したのはディナー・スプーンでした。口にする部分は拭き漆、手で持つ部分はクルミのオイル仕上げ。漆は薄く仕上げられていて、木目がはっきりと見えます。1本1本、本当に丁寧につくられていることが感じられます。(でも、写真のそのスプーンは無くしてしまったのです (泣))

 スプーンをつくるために無数に繰り返されてきた宮薗さんの一連の動作は機能美の極致です。力強く、しなやかで、丁寧で、澱みなく、迷いがありません。例えが適切かわかりませんが、映画「A FILM ABOUT COFFEE」の終盤に流れる大坊さんのコーヒーを淹れる姿と同種の美しさと余韻を感じます。(年齢は全然違いますよ。)

 宮薗さんのスプーンは飲食店でもよく使われていて、ラボンヌはもちろん、同じ二宮にあるブーランジェリー・ヤマシタでも出てきます。

 食べることに対してとても丁寧な気持ちになる、そんなmiyazono spoonをぜひお使いいただければと思います。


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