城﨑 月甫(きざき つきほ)

自己紹介

 主にケヤキ、クリなどの広葉樹材を用いて、漆塗りのお椀を作っています。

 漆器づくりは木地作りと漆塗りを分業で行うことが多いですが、私は木地の成形から漆塗りまで1人で行います。

 漆に土を焼いた粉(地の粉)を混ぜて塗っていますのでとても剥げにくく、普段から気兼ねなくお使い頂けます。

 日本はモンスーン型気候で、木が沢山生えてきます。その豊富な木を使って、自分の手で漆器を作れることに豊かさを感じます。

 

略歴

1984年 石川県金沢市に生まれる。
2005年 ミャンマー連邦ヤンゴン外国語大学ミャンマー語学科を卒業する。
在学中にミャンマーの漆器に出会う。
帰国後、漆器作りを学ぶために、石川県挽物轆轤技術研究所に入所する。
2010年 石川県挽物轆轤技術研究所を卒業する。石川県金沢市に工房を開設する。
2014年 滋賀県長浜市に工房移転する。
2021年 埼玉県加須市に工房移転する。

店主からのご紹介

 城﨑さんに初めてお会いしたのは2025年1月。高須さんから紹介で、加須市の自宅兼工房を訪れました。

 以前から城﨑さんの名前は耳にしていて、パートナーで陶芸家の前田美絵さんとは昔から面識がありました。私の家では前田さんのカップや皿を愛用しています。

 当店を立ち上げるに際して汁椀のつくり手を探していた私は、高須さんと話をしている中で城﨑さんの話になり、連絡先を教えていただき、すぐに電話を掛けたのでした。

 電話に出た城﨑さんはとても気さくな雰囲気で応じてくれて、年末年始にも関わらずいつでもどうぞと訪問を受けてくれました。

 日々の食卓にあがる私の家の食器は、そのほとんどが木工品ですが、唯一汁椀だけは気に入ったものが見つけられず、100均のものを使い続けていました。なので、商品というよりもまずは私の家の汁椀を探していて、ひょっとしたら、という期待を秘めながら年明けに伺いました。

 訪問すると、前田さんとともにお二人で迎えていただき、電話でアポを取った時に感じた城﨑さんの雰囲気は実際にお会いしてもそのままで、すぐに打ち解けることができました。そしてここでもなぜか釣りの話になるのです (笑)

 話は尽きず、たくさんの漆器や道具を見ながら色々と教えていただき、とても勉強になりました。工房は漆器に特化していて、旋盤も刃物も西洋のそれとは全く異なります。実際にその場で削って見せてくれました。

 そのあと前田さんの陶芸の工房の見学も。

 そしてこの日、城﨑さんの在庫品の中から、家で使うのにずっと探し続けていた汁椀にピッタリの漆器をついに見つけることになるのです。

 我が家に仲間入りした汁椀はとても控えめながら堂々としていて、使い始めから手に馴染みました。まるで、ずっと前からそこにいたかのように。

 木地づくりから漆塗りまで全工程をひとりで行い、蒔地(まきじ)という手法でつくられたこの漆器をぜひ使ってみてください。


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